プレスリリースにも使える「人を説得する記事」の一例

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プレスリリース

今日、ちょっと気になる記事を見つけたのご紹介します。

何がいいってプレスリリース等にいかせる「人を説得する記事」の典型だからです。

 

 

トヨタ、お前もか。「終身雇用」を悪とする愚かな三流経営の末路

トヨタ、お前もか。「終身雇用」を悪とする愚かな三流経営の末路 - まぐまぐニュース!
トヨタと日立製作所という、日本を代表するメーカーのトップが相次ぎ「終身雇用」について否定的な見方を示し、大きな話題となっています。我が国の発展を支えてきたと言っても過言でもない終身雇用はこのまま崩壊に向かうのでしょうか。…

 

 

記事としては終身雇用が日本人に合ってるし、そんな方が成功してる。

だから、終身雇用辞めたトヨタは経営として間違ってるって話です。

 

経営経験はほぼゼロのライター

この手の記事で、いつも見るのはライターです。

 

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。

河合薫wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%B3%E5%90%88%E8%96%AB

 

立派な学歴と、数々の実績が記載されておりますが、

少し気になったのは大学の学科とANA国際線のCA。

ここまで行って、CA?

CAが悪いわけじゃありませんが、大学の知識や経験が100%は生かされておりません。

また、その後も気象予報士合格や、ニュースステーションでの活躍はすごいですが、

なぜかそこから「産業ストレスを専門」に研究をしております。

 

失礼ですが「経営者」ではなく「経営学の学者」でもありません。

他のサイトを見てもやはり「経営学」に関する話は少なく、

健康社会学や保健学などを選ばれておりますね。

 

さて、この方に経営がどこまでわかるんでしょうか?疑問でした。

でも、学歴がない資格がないから「出来ない」は極端ですから、文章を見ます。

また今回の記事的に言えば「なんかすごそう」がこのプロフィールから伝わります。

東大だし、CAだし、気象予報士な上に著書もいっぱいある!

典型的な権威付けですが、よく見たら「あれ?」ってのが私の意見です。

 

 

終身雇用は哲学?単なる「雰囲気」「文化」なだけでは?

 

トヨタ自動車の豊田章男社長が都内で行った記者会見の内容が物議をかもしています。

経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)も「企業からみると(従業員を)一生雇い続ける保証書を持っているわけではない。制度疲労を起こしている。終身雇用を前提にすることが限界になっている」と発言。

働く人たちとの信頼関係で成立してきた長期雇用(終身雇用)という心理的契約を語るのに、経営者が「インセンティブ」とか「保証書」という言葉を用いることが、どうにもしっくりときません。

長期雇用は雇用制度ではなく、経営哲学なのではないでしょうか。

 

いくつか気になりました。

 

はじめに、トヨタの社長は「終身雇用やめる」ではなく

「インセンティブがなく難しい」というのが本来の主張です。

 

また、元の記事を見るとわかりますが、インパクトある部分が太字です。

経団連会長の言葉も「終身雇用を前手にすることが限界」と説明がありますが

その部分は通常の文字で「保証書をもっているわけではない」が強調されます。

 

これはメディアの特徴でもありますが、自分たちの主張に合わせて組み合わせます。

例えば地方で農業をやっていたとして「日本は食料自給率が低い」とか

「地産地消をしよう」「農家を助けるべき」という言葉を組み合わせると、

 

「国としても食料自給率を問題としており、農業を支援し地産地消を推奨しています」

「ぜひ、地元産の食材をご賞味下さい」

 

なんて書かれた日には、人はわざわざ外国産を食べませんよね?

ただ、言葉を組み合わせて、本来とは少し違った意味になっているのは

皆さんご理解いただけるでしょう。

今回は組み替えずに「インパクトある部分」を抽出しています。

 

また、次の言葉が「うまいな(ずるいな)」って思いました。

 

長期雇用は雇用制度ではなく経営哲学なのではないでしょうか。

 

正直、終身雇用や長期雇用や精度でも経営哲学でもありません。

 

作れば売れた、企業は一生成長する時代の名残でもありますし、

その頃のは「転職エージェント」なんて居ませんでした。

そもそも終身雇用と言われた時代は「転職」さえ悪と言え、

一生付き合う会社だからこそ「よく判断する」のが当たり前でした。

 

そういう考えの社員と、人を育てるほどに利がある会社が

一緒になって出来たのが「終身雇用」であります。

なお、ここに雇用に関する法律も関係してきますが…

まあ、時代が違うわけです。

 

また、何より哲学や思想は相反するものも存在します。

代表的に相反するのは「性善説」と「性悪説」でしょうか、

哲学というなら「相手は違う哲学科も」という考えが不足します。

しかし、ここでは「絶対的な思想」ぐらいの勢いです。

 

更に、この「哲学」を後押しする話が来ます。

 

 

自分の正しさを曖昧な数字でアピール

 

私はこれまで講演会や取材で全国津々浦々数多くの企業にお邪魔し、その数は1,000社を優に超えていますが、高い生産性をキープし続けている長寿企業は、例外なく長期雇用を基本としていました。

 

少し下に行くと、こんな言葉が出てきました。

 

実績は素晴らしいと思う一方、長寿企業の規模や年数、雇用状況がどうなっているかです。

講演会でお会いするのが経営者層をメインとしましょう。

 

経営者の口から「実力があれば残す、ゴミは捨てる」なんて言いますか?

5年前にクビにして、10年前に退職した人、覚えてますか?

また、長期雇用というがその期間は?10年?30年?もっと??

 

例えばですが、町工場や地方の企業だと引き継ぎが出来なかったり、

そもそも人の入れ替わりがないのが多いです。

そんなのを持ってきて「長期雇用してる!」と言われてもね。

また、地方で独占的な商売をしている会社は安泰です。

私の地元でもそうですが、某タイヤメーカーの下請けだったり、

市役所と関係の強い文房具屋は子供の頃からやってます。

 

日進月歩で世界と戦うトヨタや経団連が見る会社と、

地方で限られた需要に向けて、コネ等で成り立つ会社を

一緒の経営哲学で語ることがどうなのって話です。

 

しかし、数字を見せることや「全国」ということで、

あたかも日本全体の法人を見てきたように感じさせるのです。

高い生産性や長期雇用も「キーワード」しか見せてないのに!

 

これは非常に優れたと言うか、よくある手法です。

 

例えばですが、私の経歴を書きましょう。

 

某雑誌のスカウトをしており、過去に少なくとも

1000回は「かっこいい!」と言う類の評価をもらっております。

過去の彼女を探すとモデルやタレント、社長令嬢もおりましたし、

基本的に女性関係に苦労した記憶はありません。

 

さて、どんな人を想像されますか?

世代がバレそうですが、岡田准一さんみたいな感じでしょうか?

少なからず「かっこいいんだろうな」「モテるだろうな」と思いますよね。

 

ただ、分解してますと

 

・某雑誌のスカウト > 清潔感あれば誰でもOKのアルバイト

・1000回は「かっこいい」 > 圧倒的多数は親族とおせじ

・過去の彼女にモデルやタレント > 実際にいましたが無名

・女性関係に苦労しない > 苦労を忘れるだけ。空白はある

 

ということです。前者だけならイケメンですが、後者で普通になりましたよね?

今回の「全国の1000社」も同じことだと言えます。

 

 

他人のコメントを引用し、自分の主張を正当化

 

私の尊敬している経済学者であり、東京大学大学院経済学研究科の藤本隆宏先生も、「カネ、カネ、カネの経営は古い。経済の最先端は人だ」と断言します。

 

経済に関する記事を書いてるとおもったら、経済学者の言葉を持ってきた。。。

 

先にライターさんの経歴を話しましたが、その対応策でしょう。

自分のように「貴方の経歴は?」という人に向けて、

また、どうしても懐疑的な人に向けて

 

実力、地位があるかたも言ってるよ!

 

と、肩書を使ったわけです。

営業や社内プレゼンでもよくやる「◯社のアンケートでは」とか

「日経の記事に…」「アメリカ政府の発表では」ってやつです。

 

 

選択肢を勝手に潰す

 

問題は「長期雇用」にあるのではなく、長期雇用の利点を生かせない経営手法に問題があるのではないか。私にはそうとしか思えない。申し訳ないのです。

 

今回の記事については、ライターさんの「意見」であります。

そう考えて見ているならなんら問題はありませんが、

上記のように「断定」して選択肢を潰すというのも一つの手法です。

 

例えばですが、私と読者さんでご飯に行くとします。

 

「美味しいカレー屋と寿司屋が近いんですが、どっちにします?」

 

と言われて、さて貴方はどちらを選びますか?

まず、多くの方は「カレーか寿司か…」って考えますよね。

もちろん「いやいや、天ぷらにしましょうや!」でもいいのに、

なぜか二択から考えてしまうのが一般的です。

 

更に「美味しい」というキーワードが付くとカレー屋に興味がわきます。

 

人によっては「カレー屋そんな美味しいんですか?」となりますし

「せっかく近くになるなら」と美味しいカレー屋になりかねません。

この手のものは心理学…いや心理テクニックレベルです。

 

今回の記事も本来は選択肢がある中で、

その選択肢を無視して、ライターの意見が推し進められます。

 

ましてや記事の中盤「読み物」として流れで読んでいるので、

ここでわざわざ「いや、他にも理由はあるのでは?」なんて

考える方のほうが稀なんではないでしょうか。

 

でも、気づくとライターの意見が正しいかのように説明が続き、

結果的に「トヨタは三流」にいきつきます。

 

リリースなんかで使うとしたら、例えばですが下記のような例。

 

働き方改革の大きな助けとなるRPAの導入は各社で進み、

銀行業界などを始め、大きな成果を上げております。

 

正直、RPA以外でも働き方改革はすすんでますし、

成果が出ないというケースも最近は聞こえてきます。

でも、そんなのは抜きに「RPAが正しい」と伝えます。

結果、リリースを見た人は「RPA」に興味を持ちます。

 

ちなみに「銀行?本当?」って方には下記のようなものを。

 

 

「銀行のデジタル化は避けられない」 RPAで20万時間の業務削減へ 横浜銀行

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1902/15/news089.html

 

メガバンク正社員「大リストラ」の背後には銀行業務へのRPA導入

https://boxil.jp/beyond/a3682/

 

RPAの活用で、サッポロビールに年間約1100万円の削減効果

https://toyokeizai.net/articles/-/177416

 

神奈川県、RPAロボで県庁の定型業務を自動化

https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1809/25/news074.html

 

 

ちなみに、上には2つの罠があります。

 

1つ目、URLをクリックしてもリンク先に行かず、リンク先の確認が手間である。

結果、人はタイトルを見ただけで「知った」つもりになる。

2つ目、実は一番最初の記事は「横浜銀行の挑戦」がタイトルです。

最後の記事も「富士通、大崎コンピュータと共同でRPA導入の実証実験」と続きます。

でも、リンク先を見ないとあたかもすでに結果が出たように勘違いします。

 

最近、この手のテクニックはネットメディアに多数見られますし、

Yahooニュースにも多いのでご注意ください。

 

 

今回の記事に限らず思うのは、自分の主張がありその主張に合わせて、

都合の良いデータや切り貼りをして信用させようとしていること。

 

引用した以外にもあれこれ「私の意見が正しい」ってのがある一方で、

地方の中小企業と、世界的な大企業の経営を「一つ」で纏めています。

また、時代の変化で「転職」が当たり前になったり、

海外の企業が優秀な人材を持っていくのも当たり前の時代になったりと

時代の変化に一切触れず、昔の言葉を引用したりしています。

 

時代の変化に適応できる上で経営能力が高いからこそ持続し、

経営能力が高くも、時代に取り残されたらそれまでなのが現代です。

 

そういった可能性を持ち寄るデータや記載方法で、

あたかも「真実」のように伝えるのは技術です。

今回なら「鋭い目線の自分」のメルマガに誘導するため使っています。

リリースでここまであからさまだとユーザーが離れかねませんが、

「今ある姿を最大限よく伝える」事は学びたいですね。

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